小高い山をたった一人で切り開き、手弁当で続けてきた野外演奏会が今年、10年目を迎える。山口県宇部市吉見の藤本冨士男さん(70)。「地元を元気にしたい」と自宅の裏山で始めた演奏会は今や、地域の恒例行事に育った。今年は20日に開催される予定で、山里に元気な音色を響かせる。 藤本さんは旧日本鉄道建設公団の職員だった。転勤で全国各地を転々とした後、55歳の時に退職し、父親の故郷・宇部で暮らし始めた。その頃、私有地にある自宅の裏山は雑木が茂り、「昼間も部屋に日が差さないほど」。何とかしたいと思い、1人で整備を始めた。・・・
裏山がステージ、演奏会10年目 宇部の藤本さん
