高齢者と災害に関する内容で、以下の書籍の第7章の執筆を担当しました。
Handbook of Disaster Studies in Japan(日本における災害研究ハンドブック)
Chapter 7. Aging and Disaster Resilience (エイジングと災害虚弱性)(Hiroshi Ueda)
第7章「高齢者と災害レジリエンス」では、日本の高齢化社会における高齢者の災害脆弱性と、それに対する備えの重要性が論じられています。加齢に伴う身体・認知機能の低下、情報取得の困難、避難行動の遅れなどが災害時のリスクを高める要因とされ、地域とのつながりや日常的な防災意識の醸成が鍵となります。避難所生活では視力・口腔・慢性疾患・温度調整・睡眠・精神面など多方面の健康課題が生じやすく、個別対応が求められます。ICTの活用や地域ネットワークの構築、家族・近隣との協力体制も災害レジリエンス向上に不可欠です。高齢者自身の主体的な参加と社会的役割の再構築が、安心して暮らせる災害対応社会の形成につながると提言しています。