2006年秋、愛知県安城市城南町で独り暮らしをしていた男性が「孤独死」した。遺体が発見されたのは死の約1週間後。町内会長はショックを受けた。男性とは顔見知りだった。「同じ町内で孤独死が起きるなんて」。決心した。二度と孤独死を出さない町を作ろうと。 「でも、何から手を付ければよいのか、さっぱりわからなかった」。当時の町内会長、藤野千秋さん(77)は振り返る。石油会社のサラリーマンを定年退職後、退屈しのぎに町内会の活動に携わり、04年に会長になっていた。でも自分の住む町なのに、どこにどんな人が住んでいるのか知らないことに、気づいた。・・・
ある「孤独死」が変えた地域 町内会長の決断
